コンピューターが人間の仕事を奪う時代が来る?人間らしい個性を育むために必要なこと〜子育て×脳科学〜


「人間」は「コンピュータ」とどう違うのか?


人工知能を研究する工学博士 松田雄馬です。
今回はみなさんに「コミュニケーション」や「社会の中で生きていく能力」をどのようにすれば身につけられるかを、脳の視点から掘り下げてお話したいと思います。

突然ですが、人間とコンピュータの違いって、何だと思いますか?

勘のいい方はわかってしまったかもしれませんが、コンピュータのことがわかれば、人間のことがよりよくわかるようになってくるんです。
コンピューターと人間の違いについて説明していきます。

コンピューターが人間の仕事を奪う時代が来る?

現在、「人工知能」と呼ばれている技術が色々な話題に上がっていて

・「人工知能を持つコンピュータが、人間の仕事を奪ってしまうのではないか」
・「もし、コンピュータに仕事を奪われてしまったら、自分は、そしてわが子はどう生きればいいのか」

なんて心配をされている方も、少なくないと思います。

でも、安心してください!
コンピュータは人間の仕事を奪いません!

コンピュータって、様々な情報を瞬時に処理するとても便利な道具なので、とても賢く見えますよね。
その通り、コンピュータはとても賢いのです。

コンピュータは、世界中の天才たちが日々改善しているので、賢くなって当然です。

でも、勘違いしてほしくないのですが、コンピュータは人間ではなく道具です

道具は仕事を奪いません。

遥か昔、包丁のなかった時代に包丁が発明されたとき、包丁が発明されたことで料理人は仕事を奪われたでしょうか。奪われていませんよね。

もちろん、包丁が発明されたことで、それまでになかった料理が次々に作られ、包丁が使えない料理人が作れない料理が幾つも登場するのは事実です。

それでも、包丁は誰でも使える道具。

包丁が使えるようになれば、またどんな料理でも作れるようになるし、料理の可能性は、より広がっていきますよね?

私たち人間にとってのコンピュータも、料理人にとっての包丁と同じ「道具」です。

私たち人間は、道具であるコンピュータを利用し、新しい社会を作っていくもの。
コンピュータは、人間の想像力を受けて、新しい社会を、私たちが作り出すための道具。
社会は、コンピュータではなく私たち人間が作るものなのです。

私たち人間に備わる「社会性」という能力

私たち人間は他の動物に比べ(もちろんコンピュータに比べ)、「社会性」という能力が非常に発達していると言われています。

これが何なのかを、脳科学の観点から少しお話したいと思います。
難しい言葉もありますが、少々、お付き合いください。

人間の脳がどのように動いているかという「動作原理」に関して、近年の脳科学の発展により、非常に多くのことが知られるようになりました。

アメリカのポール・D・マクリーン博士は、人間の脳を、進化的に最も古い反射脳(延髄・脳幹)、次に古い情動脳(大脳辺縁系)、最も新しい理性脳(大脳新皮質)に分類しています。

生命の存在に必要な「社会脳」と「生存脳」

この中で、反射脳と情動脳を合わせて「生存脳」と呼び、生命の生存にとってはなくてはならない機関としています。

外界からの刺激に対する何らかの反射(反応)と、情動(感性)による外界からの刺激の認識が、生存には欠かせません。つまり、外からの刺激を受けて、感性豊かに育たないと、生存本能すらも危うくなるということです。

加えて、最も新しい理性脳(大脳新皮質)は「社会脳」とも呼ばれており、外界と自己との関係を表現することで、豊かな社会性を作り出しています。

社会脳において「運動」を司る部位である運動野において「ミラーニューロン」というものが見つかっています。

例えば、自分が手を動かす場合に反応するニューロン(神経細胞)が、他人が手を動かしているのを見ただけで反応する、という現象です。

すなわち、自分の行動と、他人の行動を、同じこと(或いは違うこと)と認識することによって、他人への共感や、自己と他人との区別を行っているのです。

そしてこの「社会脳」は「生存脳」とも強くリンクしていることが知られています。

これが何を意味しているかと言いますと・・・外からの刺激を受けて感性豊かに育たないと、生存本能はおろか、社会性に関しても、危うくなってしまうということなのです。

人間らしい感性を育むためには

・外から多種多様な刺激を経験し感性豊かに生きる

・他人の行動と自分の行動を互いに影響させていく

以上ことが、より豊かな「社会性」が身に付きコンピュータではない人間らしい感性が育まれるようになるのです。

人に使われるコンピュータのような人ではなく、豊かな社会性を身に着け人間らしくありたいですね!

松田雄馬


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松田雄馬 博士(工学)
2007年3月、京都大学大学院情報学研究科修士課程修了後、
2007年4月、日本電気株式会社(NEC)中央研究所に入所。
無線通信の研究を通して香港にて現地企業との共同研究に従事。
その後、東北大学と共同で、脳型コンピュータの基礎研究プロジェクトを立ち上げる。
2015年6月、情報処理学会DICOMOにて同研究により優秀論文賞、最優秀プレゼンテーション賞を受賞。
2015年9月、東北大学にて博士号(工学)を取得。
2016年1月、日本電気株式会社(NEC)を退職し、独立。

教えられたことしかできない不憫なコンピュータに、自分で考えて判断できる機能(AI:人工知能)を与えるべく、日々奮闘中。


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奥田絵美株式会社LIVLA 代表取締役 / 株式会社ママそら 代表取締役

投稿者プロフィール

証券会社営業職、監査法人での人材開発企画に従事、出産と夫の沖縄転勤を機に一度キャリアを中断。孤独で不安な育児、女性のキャリア継続の難しさなどを痛感。その社会課題を解決するために2013年に女性・子育て世代のキャリア支援を目的とした株式会社ママそらを創業。「ソーシャルメディア × ラジオ × リアルイベント」とクロスメディアを展開し、行政・民間企業との共創で就業支援・女性活躍支援を実施。2015年には著書『新しいママの働き方』(アチーブメント出版)を上梓。

2017年には「多様で柔軟な働き方を創り、個性が価値となる社会へ」を掲げ、株式会社レーサムとの共同出資で株式会社LIVLAを設立。PR・マーケティング領域に強みを持つ専門家ネットワークを組成し、上場企業からスタートアップまで延べ50社の広報支援を実施。

2023年から「地域共創で叶えるウェルビーイング」をコンセプトに産官学連携で地域密着型おしごと体験イベントみらいのたからばこを実施。初年度はインテックス大阪で1.7万人が来場、2024年関西中心7都市開催、2025年福岡・タイ・万博含む9都市開催。約3年間で約9.5万人の親子来場、400社出展。2030年までに全都道府県開催、単年70万人動員を目指す。

毎週土曜にはレインボータウンFM『Colorful Style Lab』の総合MCを務め、メディアを通じたコミュニティ形成・情報発信も行う。

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