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若手人工知能研究者が語る 個性豊かな子どもたちを育てるために必要なこと
- 2016/1/21
- ママそらこども未来館, ママそら代表奥田絵美, 子育てのヒント
若手人工知能研究者が語る
個性豊かな子どもたちを育てるために必要なこと
みなさんこんにちは。
私、人工知能を研究する工学博士 松田雄馬と申します。
「物体認識」というロボットの目を作るという研究を通して、私たちが「ものを見る」とはどういうことかという問題に日々向き合っています。
また、そうした研究生活を行う傍ら、一般のみなさんに科学のお話を楽しく伝えるサイエンスカフェや、科学実験などを通じて子どもたちと触れ合うイベントを行うなど、様々な社会活動を行っています。
今日は、みなさんに、科学が非常に発達した今の社会で、どうすれば、子供たちが、個性豊かに生きていくことができるか、そうした個性豊かな子どもたちを育てるために何が必要かを、研究者という視点から、お話したいと思います。
知識さえあれば誰でも何でもできる自由な時代
21世紀に入り、今、私が研究している人工知能をはじめ、科学技術は大きく発展しました。
ケータイ、パソコン、インターネット、スマホ…。科学は今も、世界を変え続けています。今や、誰もがスマートフォンを手にし、いつでもどこでもインターネットに繋がり、誰とでもすぐに会話ができる時代になりました。
家に帰ればリビングには50インチの薄型液晶テレビ。見落とした番組があっても、YouTubeで簡単に探せ、twitterを使って知らない人とでも自由に感想を共有できる。
それどころか、動画を、デジカメを使って撮影して、YouTubeにアップすれば、自分だけの番組を作り、出演することができます!
ケータイも、パソコンも、そして、インターネットもなかった昭和の時代とは、まさに雲泥の差です。そうした昭和の時代を思い出すことも、今となっては難しいほどです。
そう考えると、私たちは今、一昔前の人々が夢みた、「夢の時代」を生きていると言えます。
自由と危険は表裏一体
「夢の時代」と言っても、いいことばかりではありません。誰でも簡単に何でもできるということは、できない人はどんどん取り残されて、格差が大きく広がってしまいます。
そして、作った動画などの作品も、簡単に真似されてしまいます。
さらに困ったことに、個人の情報を簡単に発信できる時代なので、不用意に情報を発信してしまうと、知らない人から情報を簡単に調べられてしまい、身の危険に遭遇しかねません。
もちろん、きちんとした知識さえ持てば、多くの危険は事前に防ぐことができるのですが・・・「夢の時代」は、そうした危険と隣り合わせの時代でもあり、誰もがきちんとした知識を持っておかないと、楽しく生きることが難しい時代でもあります。
「そんな危険な時代、どうやって子育てすればいいんだろう・・・」
という思いは、まさに、子育てをする親御さんの多くが持つ悩みだと思います。
個性を持つスターが輝ける時代を生きるために
こうした悩みをご相談いただく親御さんのうちの一人から、以前こんなことをお話しいただいたことがありました。
「私はもう受験も終わったし働いているから勉強はいいの。でもこの子たち(ご自身のお子さん)は受験もあるし就職もあるし、これからの時代を生きていくために色々な知識が必要でしょ。だから、この子たちに教えてほしいの。」
こういったお話をされる親御さん、実は少なくありません。
もちろん、ご自身のお子さんのことを心配されて、本心からこういったことを仰っておられるとは思います。ですが、重要なことは、子どもは親の背中を見て育つ、ということ。親御さんが知識を学び、考えることを楽しくないと思っていては、子どもが進んで学ぼうとするわけがありません。
私は、現代の「夢の時代」を、個性豊かに生きていくための第一歩は、親御さんご自身が、知識を学び、考えることの楽しさを味わうことだと思っています。そして、それをお子さんと共有することができたなら、お子さんは、自然と知識を学び、考えることの楽しさを理解し、自ら進んで、新しいものを作り出していけるようになるのではないでしょうか。
実は、今の時代は、知識が簡単に手に入ってしまう時代でもあり、自ら学んで深く考えるということがどんどん軽視されてしまっています。ともすると、専門家であっても、自分の専門と少し違う分野は「専門外なので」と言って敬遠してしまうこともあるのです。
そんな時代なので、親御さんが、知識を学ぶことを敬遠してしまうお気持ちは、よく理解できます。ですが、少しでも理解できると、専門外の知識を得ることは楽しいですよ。
私はこれまで、専門分野の研究活動を行う傍ら、カフェなどの場をお借りして、専門家ではない皆さんと、科学の知識を共有するサイエンス・コミュニケーションという活動を行ってきました。現在、そのコミュニティーを大きくしていくための準備を行っています。
次回のコラムでは、具体的に、私がこれまでお話してきた脳科学や情報科学(人工知能)のお話を紹介しながら、専門外の知識を得、それを共有することの楽しさをお伝えできればと思います。
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松田雄馬 博士(工学)
2007年3月、京都大学大学院情報学研究科修士課程修了後、
2007年4月、日本電気株式会社(NEC)中央研究所に入所。
無線通信の研究を通して香港にて現地企業との共同研究に従事。
その後、東北大学と共同で、脳型コンピュータの基礎研究プロジェクトを立ち上げる。
2015年6月、情報処理学会DICOMOにて同研究により優秀論文賞、最優秀プレゼンテーション賞を受賞。
2015年9月、東北大学にて博士号(工学)を取得。
2016年1月、日本電気株式会社(NEC)を退職し、独立。
教えられたことしかできない不憫なコンピュータに、自分で考えて判断できる機能(AI:人工知能)を与えるべく、日々奮闘中。
研究活動の傍ら、小学校・児童館・カフェなどと共同で、科学を通した探究活動を目指した「サイエンス・コミュニケーション」を実施。人の入れる大型シャボン玉作りが切り札。
渋谷のコワーキングスペース「タマリバ」と共同で、「楽しく生きる技術論”科学編”」を三年間継続的に実施し、高校生を含む一般向けに、脳科学や人工知能に関する小ネタを肴に、創造的な学びの場を提供。
さらに、高校生向けアントレプレナーシップ養成講座StartupBaseU18のスタッフとして、高校生が自らのアイデアに基づいて起業を行うサポートを実施。
現在、様々な分野の人が共同で知を創造するコミュニティー「知能共創研究所」の設立準備中。
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