ABCという文字はない!? 個性豊かな子どもたちを育てるために必要な脳科学


若手人工知能研究者が語る
個性豊かな子どもたちを育てるために必要な脳科学1


人工知能を研究する工学博士 松田雄馬と申します。
今日はみなさんに、個性豊かな子供たちを育てるために必要なことを、脳科学の観点からお伝えしたいと思います。

少し専門的な言葉で「視覚心理学」と言います。

多様な見方ができる人間の「視覚」。早速ですが、この絵、何に見えるでしょう?

右下にいるカップルが、湖畔で佇んでいる絵ですよね。

ですが、少し引いてみてください・・・

あれれれ????

そう。大きな赤ん坊がいることに気づかれましたか?

こうした絵を「だまし絵」と言うのですが、こうした「だまし絵」を見ると、人間の目は、色々な物の見方ができる、ということが体感できます。

左下のカップルばかりに目を捕らわれていると気付かないのですが、少し視点を変えただけで別のものが見えてくる、といったように、少し視点を変えるだけで、無限大の可能性が広がるのも特徴です。

何のために「色々な物の見方」が必要なのか

でも、考えてみたら不思議ですよね。一体、何のために「色々な物の見方」が必要なのでしょうか?

この絵を見てみてください。

真ん中に、白い逆三角形のようなものが見えるでしょうか?

不思議ですよね。

本当は、白い線なんて引かれておらず白い三角形なんてどこにもないのに、私たちの目には、まるで白い逆三角形があるように見えるのです。

どうしてこんな風に見えなければならないのでしょうか?

次の絵を見てみましょう。

おそらくみなさんには「ABC」というアルファベットが見えていると思います。

ですが、先ほどの逆三角形と同じように、ここには、ABCなどという文字はないのです。それでも、ABCが見えているということは、ある意味では不思議ですよね。

考えてみると、こういった文字がわからないと、新聞や本を読むときにも苦労しますよね。

実は、人間の脳には、新聞の文字が簡単に読めるのですが、多様な物の見方ができないコンピュータにとっては、文字を読むのは非常に困難なことなのです。

多様な物の見方をする力が如何に重要か、こうした例を見てもよくわかると思います。

多様な物の見方を得るためには、今日ご紹介したような例を、自分で深く見つめながら、或いは他の人の見方を共有しながら、一つ一つ発見していくことが非常に重要です。

だからこそ、同じ問題を親子で見つめ、どんな風に感じたかをコミュニケーションしていくことが大事なのです。

次回のコラムでは、コミュニケーションや、社会の中で生きていく能力がどのようにすれば身につけられるかを、脳の視点から掘り下げてお話したいと思います。

 

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若手人工知能研究者が語る 個性豊かな子どもたちを育てるために必要なこと

松田雄馬 博士(工学)
2007年3月、京都大学大学院情報学研究科修士課程修了後、
2007年4月、日本電気株式会社(NEC)中央研究所に入所。
無線通信の研究を通して香港にて現地企業との共同研究に従事。
その後、東北大学と共同で、脳型コンピュータの基礎研究プロジェクトを立ち上げる。
2015年6月、情報処理学会DICOMOにて同研究により優秀論文賞、最優秀プレゼンテーション賞を受賞。
2015年9月、東北大学にて博士号(工学)を取得。
2016年1月、日本電気株式会社(NEC)を退職し、独立。

教えられたことしかできない不憫なコンピュータに、自分で考えて判断できる機能(AI:人工知能)を与えるべく、日々奮闘中。


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奥田絵美ママそら代表

投稿者プロフィール

夫の転勤により孤独で不安な子育てを経験したことから「不安なママを救いたい」とママコミュニティ「ママそら」を設立、半年後に法人化。

「ソーシャルメディア・ラジオ・リアルイベント」の3つを軸に、育児支援・就業支援を行う。北海道から沖縄まで9つの支部を展開中。3年で2万人のコミュニティに成長。

ママのスキルや経験を生かした商品開発・マーケティングなどで大手企業とコラボレーションをしたり、行政と就業支援を行うなど活動の場を広げている。

現在、毎週土曜日にレインボータウンFM「ママそらモーニングcafe」に総合MCとして出演。2015年6月にママの仕事選びのバイブルとなる「新しいママの働き方」(アチーブメント出版)を出版。

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