「足りないものを数えるより、今あるものを見つけて子供と一緒に楽しみたい」
今日の輝くママは、ドイツにお住いの小川真穂さん。「世界の共通言語であるデザインの力を借りて、コミュニケーションしていきたい。」と、ドイツで子育てをされながら、デザイナーとしてへその緒ケースや印鑑ケースのデザインなども手掛ける小川さん。
ドイツからの素敵なメッセージをお届けします。
【名前】小川 真穂(おがわ まほ)
【お住まい】ドイツ、ハンブルグ
【子ども】長女(2歳)
【職業】アートディレクター、デザイナー
【最近嬉しかったこと】
◎娘が「ママありがと」と言ってくれるようになったこと。
娘の成長は日々嬉しいですが、ふとした時に「ありがとう」と言ってくれると、
「こちらこそありがとう!!」と疲れがふっとびます。
◎友人に「ハンブルクの絵を描いて欲しい」と言われたこと。
ハンブルクで出会った友人が「今度アメリカに引っ越すことになったので、ハンブルクの思い出に絵を描いて欲しい」と依頼してくれました。
友人の思い入れのある場所や出来事などをヒアリングし、市庁舎やエルプフィルハーモニー、赤レンガの倉庫街などハンブルクの象徴的な建物や、友人がよく通ったIsemarktやお気に入りの茶色いウサギなども描きこみました。
完成した絵を渡すととても喜んでくれて、私も幸せな気持ちになりました。
産後はなかなか時間と気持ちの余裕がなく、絵を描きたいと思いながらも、絵筆を持ってキャンバスに向かうことができずにいたので、再び絵を描くきっかけをくれた友人に感謝です。
絵を見るたびにハンブルクでの楽しい生活を思い出して欲しいなと思います。
【輝くママの秘訣】
輝くママかどうかはわかりませんが…日々心がけていることはいくつかあります。
◎足りないものを数えるより、今あるものを見つけて一緒に楽しみたい。
産後は今までできていたことができなくなったり、自分の時間がなくなったり。
「ない」ものが増えてストレスがたまり不安定になったりすることがありました。
しかし「ない」ものを数えだすとキリがないので、そういうときはなるべく気持ちを切り替えて、子どもがいるからこそ楽しめることが「ある」と考えるようにしています。
たとえば旅行先では、小さい子連れだと今までのように街歩きやアクティブなことがしにくくなりました。
そのかわり、ゆっくり自然の中で過ごしたり、子どもがいなければ行かなかったような公園やお店に行ってみたり。こんな楽しみ方があったんだ!と新しい発見があります。
仕事の面でも、パソコンに向かう時間は減ったかわりに、娘と一緒にお絵描きをしたり、
娘に読ませたい絵本のストーリーを考えてみたり、子どものためにこんなものがあったらいいなと思うものを企画してみたり。一緒に楽しめることを見つけて、大事にしたいと思っています。
◎ためないこと。
それでもストレスがたまる時は、ちゃんと発散するようにしています。
できるだけ、その日のうちに、その週のうちに。
友人とおしゃべりしたり、夫に相談したり、買い物でもスポーツでも料理でも散歩でもなんでもいいので、限界まで溜め込まずにこまめにリセットすることを心がけています。
私の場合は軽く運動したり、美術館に行ったり、家で映画を観たり本を読むこと、友達とお茶することが気分転換になります。
◎家族への感謝と尊敬を忘れないこと。
夫の協力は必要ですし、お互いの足りない所をカバーし合う存在です。
ついつい忘れがちで「してくれないこと」に不満がつのり喧嘩をしてしまうこともありますが、できるだけ日々の生活の中で些細なことでも「ありがとう」と声に出して言うように意識しています。
【住んでいる街の好きな所】
たくさんあって迷っちゃいます(笑)
◎私は横浜で生まれ育ったので、ハンブルクも同じ港街として親近感があります。
ほどよく賑わっていて、でもゆったりとした空気があるというか。
春、桜を眺めながらアルスター湖を散歩をするのは気持ちがよかったです。
◎Stadtparkという大きな公園が家の近くにあるので、平日は一人でランニングしたり、週末はよく子どもと一緒に遊びに行きます。
ハンブルクは都市だけれど緑や公園が多く、夏はみんなBBQや日光浴をしています。
キッズスペースがあるカフェもあり、バスや電車に大きなベビーカーで乗っても大丈夫なので、子育てはしやすい環境だと思います。
◎マルクト(市場)
ハンブルクで一番大きなイーゼマルクトも好きですが、最近は近所に週3回立つマルクトがお気に入りです。いつも行く店では顔を覚えてもらったり、勉強中のドイツ語を使って挨拶や注文をしてみたりするのも楽しみのひとつです。
BIOの野菜もたくさん売っているので、子どもにも安心して食べさせられるのが嬉しいです。
またエコに対する意識が高いというか、社会全体で当たり前のこととして捉えいる感じがします。その影響もあって、私も自然とエコバッグを常に持ち歩くようになりました。
◎お店は、Chile Houseにある Manufactum Warenhaus という雑貨屋さんが好きでよく行きます。
永く使えそうな生活雑貨やセンスのいい文房具がたくさん置いてあって、
「これがあれば掃除も頑張れるかも..」などと、色々揃えたくなってしまいます(笑)
【全国のママ&プレママへのメッセージ】
私は幼い頃から働いている母の背中を見て育ちました。
その影響か、母親が働くことは当たり前のことだと思っていたし、一生懸命仕事をしている母を尊敬していました。
小さな不満は時折あったかもしれませんが、仕事を辞めて家にいて欲しいとか、寂しいという気持ちはあまりなかったように思います。
だからもし、働いていて子どもと一緒にいる時間が少なくなることに罪悪感を感じてるお母さんがいたら、大丈夫だよと伝えてあげたいし、私自身にも言ってあげたいです。
その分一緒にいる時間は思いきり遊んだり笑ったりしてあげればいい。
働いていなくても、お母さんが好きなことに一生懸命な姿を見せるのは大切だと思います。
まず自分を大切にしてあげることが、子どもにとっても良い影響を与えることだと信じています。
【目標・活動など】
◎最近、赤ちゃん向けのプロダクトをデザインしました。
ちょうど娘が産まれて半年くらいの頃に、以前からお仕事でご一緒していた方から、
出産祝いに贈りたくなるような商品を作りませんかとお話をいただきました。
初めての育児と慣れないドイツでの生活に追われる日々でしたが、
子育てをしながら発見したことや感動を何か形にして残せたらいいなと考えていたので、
とても嬉しいタイミングでのご依頼でした。
クライアントには私の体調や育児をしながらのスケジュールなども理解していただき、
2年近く相談と試作を重ね、やっとこの夏(2019年9月初旬)に完成し、発売することができました。
赤ちゃんの産まれた日付や身長・体重を刻印できる印鑑や、健やかな成長を願う御守りの用な和文様の印鑑、桐の箱に刺繍をほどこした乳歯ケースとへその緒ケースなど。(他にもまだまだ進行中です!)
出産・育児をしながらのタイミングだからこそ、よりリアルな体験として自分自身が欲しいと思えるもの、贈りたいと思えるものを素直に考えることができたと思います。
ハンブルクへは夫の海外赴任に帯同する形で引っ越してきました。
約10年勤めた会社を退職し、同じタイミングで出産も重なったので、生活ががらりと変わりました。
家事育児を丁寧にやりたいと思う反面、今までやってきたこと、好きなデザインの仕事を続けたいという気持ちは強くありました。
赤ちゃんの世話をしながら作業時間を作るのは体力的にも大変で悩んだりもしましたが、
少しでもものづくりに関わっていることが、私にとってはよい気分転換にもなっていたと思います。
今後の目標としては、構想中の絵本を完成させることと、せっかくドイツに住んでいるのでドイツの人達にも作ったものを見てもらう機会を作りたいなと思っています。
たとえば、へその緒をとっておく習慣があるのは日本くらいだけど、ドイツでは何かとっておくのか?とか、もしへその緒ケースをもらったら他に何を入れる?など。
「へその緒」や「出産祝い」「通過儀礼」なんかをテーマにした対話も、文化の違いがありそうで興味深いですよね。
世界の共通言語であるデザインの力を借りて、コミュニケーションしていきたい。
そこにはまた新しい発見があるのではないかと、わくわくしています。
小川真穂さんホームページ https://www.maho-ogawa.com
ライター:山崎葉月(2019.10.22)
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