「人として尊敬し愛し合える関係を家族間で大切にしていきたいです。」
今日の輝く未来のママは、料理研究家としてドイツ、日本でご活躍されている田中さん。日本の家庭料理の作り方や、食と健康とが結びついていること(食育)を世界の人々へ伝えていきたいです。とおっしゃる田中さんからのメッセージをご覧ください。
【名前】田中 杏菜(たなか あんな)
【お住まい】ドイツ ハンブルク
【職業・活動】料理研究家
【最近嬉しかったこと】
★プライベートの面:夫との共通の趣味が増え、二人の時間が充実してきたこと。
2015年に夫のドイツ駐在が決まったのをきっかけに入籍し、その年の春に私たちはドイツのハンブルクにやってきました。週末は夫婦でテニスとソフトボールに参加しており、最近ギターを始めて練習仲間とバンドを組みました。二人で過ごす時間が長くなるにつれて一緒に楽しめる趣味が増えていることを嬉しく感じています。
★お仕事の面:レシピを書籍に掲載していただけたこと、ドイツで初めて開催したお料理教室を1年間やりとげられたこと。
ドイツに来て一年が経った2016年の春、料理家事務所に声をかけていただいたことをきっかけに料理研究家としてお仕事を始め「アンナのキッチン」が生まれました。この2つは一つの節目としてやりがいを感じられた出来事でした。
【住んでいる街の好きなところ】
街に緑が多く、住む人々がエコな気持ちを大切にしているところです。
一人の力では変わらないから意味がない、といった考え方で行動を制限することなく、地球環境に配慮した生活に個々の価値観をもって取り組んでいる方が非常に多いです。
ドイツに住んだことで、キッチンに立つときにも環境に配慮するようになりました。使い捨てのラップやアルミホイルをなるべく使わないようにしたり、過剰包装の商品を避けたり。フェアトレードやオーガニックのものもできる範囲で取り入れています。
人だけでなく地球にも優しい料理って、素敵だと思うんです^^
【将来の夢】
レシピを開発するにあたって大切にしていることがあります。それは「手作りごはんのある暮らし」を叶える料理を作ること。特別な日にだけ作る豪華な食事ではなく、“大切な人に毎日でも食べてもらいたいと心から思える”ような、健康に配慮したお料理やお菓子のレシピを発信することがモットーです。
「手作りごはんのある暮らし」という言葉には、当たり前のように毎日迎える日々の食卓に、一品でも多くの「手作りの料理」を並べられる手助けをしたい、という想いが込められています。将来はSNS、ブログ、ワークショップ、料理教室、リアルな店舗など発信の形にはこだわらずに、皆さまそれぞれにある「手作りごはんのある暮らし」の力になりたいと思っています。
また今後は日本語だけでなく英語でもレシピを発信したいです。日本の家庭料理の作り方や、食と健康とが結びついていること(食育)を世界の人々へ伝えていきたいです。
【ママになったらどんなママになりたいか】
人生は楽しいばかりではなく、乗り越えるのが難しい出来事や辛い局面に立つことがあると思います。将来生まれてくる子どもには、そんな環境にぶつかったときこそ自ら状況を消化し前へ進む糧にできる、真の核を持った人として人生を歩んでもらいたいです。子どもがその核を見つけられるようなサポートを、夫と共にしていけるママになりたいです^^
忘れずにいたいことは「ママ」「妻」「夫」「パパ」「子供」など肩書きの前に、各々が一人の人間だということ。肩書きというフィルターや周りとの比較で互いを判断することなく、人として尊敬し愛し合える関係を家族間で大切にしていきたいです。
また、子供にもお料理の楽しさを伝えられたらと思います♪
【目標・活動など】
上述したアンナのキッチンのモットーである「手作りごはんのある暮らし」は、インスタント食品や添加物が多く含まれた出来合いの食品が食べられるシーンを減らし、丁寧で温かい食卓を増やすことに繋がると思います。そして丁寧な食卓を囲むことは、家族や大切な人の身体と心の豊かな状態を保つことができる暮らしのスタイルではないかと考えます。なぜなら私自身が、お料理を暮らしに取り入れたことで歪んだ健康状態・沈んだ心に活力を取り戻し、前向きになれた経験が2度もあるからです。
一度目は人生における料理との出会いでもありました。大学院で生物学研究に従事していた頃のことです。
当時の私は研究したさに食事を二の次にし、スーパーのお惣菜など手軽なものばかりを不規則に食べていました。しかしそのツケはすぐに現れ、研究のプレッシャーや睡眠不足も相まって体調を崩してしまったんです。
その状況を打破するために始めたのが「規則正しい時間に手作りのごはんを食べる」ということでした。
休日におかずをまとめて作っておき、実験が続いても三食決まった時間にお米とともに手作りごはんを食べる。たったそれだけのことなのに、気づけば体調が良くなり心にも余裕が生まれ、研究を再開することができました。未来の医療や治療薬の開発を念頭に置いた研究をしながら、健康を保つためには日々の食事がいかに大切か身をもって体験することになったのです。
大学院を修了して農産物を扱う企業に就職したのち、駐在員の妻として、友人も知人もいないドイツへ来ることになりました。ここで二度目の壁にぶち当たります(笑)
初めての海外生活、新婚生活に目新しさを感じていたのも束の間。やがて専業主婦であることへの劣等感、言語の違いや孤独な環境・・・海外生活をされた方なら誰もが通る道なのかもしれません。私も例にもれず、まるで夫以外の大切なもの全てを失って世の中から置き去りにされたような無力感でした。
そんなときにもキッチンに立っているときは不思議と、初めて目にする食材を調理するクリエイティブな部分に楽しさを見出し、ヨーロッパの食文化にワクワクし、食事が完成したときには夫と食卓を囲む幸せを感じることができました。アイデンティティを見失っていたドイツ生活に生きがいを与えてくれたのも、日々の料理が紡いでくれる「手作りごはんあるの暮らし」だと気づいた瞬間でした。
この二つの出来事あったからこそ、料理は身体の健康を保ち、さらに心を豊かにする力があると思うのです。
このころに何気なく趣味として始めた料理ブログ「アンナのキッチン~手作りごはんのある暮らし~」はその後、ドイツで様々な出会いを運んできてくれることになります。
忘れられない経験の一つが、ドイツに住む方を対象に開催したおにぎりワークショップでした。このワークショップは日本の農林水産省が企画し、非営利団体Table For Twoが主催したイベント。私はミュンヘンとハンブルクの料理講師として、キャラクターおにぎりのレシピ開発や当日のデモンストレーションなどを担当させていただきました。このワークショップの様子はミュンヘンの地方新聞にも掲載され、その記事を見るたびに当時の記憶が鮮明によみがえります。
よく聞かれることなのですが、私は料理学校を卒業したわけでも管理栄養士の資格を持っているわけでもありません。生物学専攻だったので栄養化学的な知識や企業で料理講師として勤務した経験はありましたが、料理は全て独学です。
料理研究家として活動をしていて、そのことをハンデに感じるときもありました。
でも【将来の夢】を見つめなおすと、そんな自分でも、むしろ今の私だからこそ、作れる料理があり発信できることがあるんじゃないかなと感じるのです。
身近だった食材や調味料がない環境で改めて気づいた、生産者さんやサプライヤーさんの存在。ヨーロッパ文化とのふれあいの中で、馴染みのない食材を楽しみ工夫を凝らして完成する一皿。日本や世界のどこかで料理に悩んでいる方を助けたいという想い。日本で、ドイツで、日々支えてくれている方々への感謝の気持ち・・・そんな全てが詰まったアンナのキッチン。だからこそこれからも、世界中どこにいても作れる、大切な人にも子どもにも地球にも優しい「手作りごはんのある暮らし」を叶える料理をお届けしていきたいです。
きっと私たちそれぞれが紡ぐ日々の小さな食卓から、幸せの輪は広がっていくと信じています。
写真の右下にあるアンナのキッチンのロゴにある糸のモチーフには、そんな「料理で日々を紡ぐ」イメージが込められているんですよ^^
アンナのキッチン in ドイツ https://www.instagram.com/annaskuecheindeutschland/
ライター:山崎葉月(2018.06.25)
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