となりのトトロ「ママ、この映画見て!Vol.14」
- 2015/2/4
- 高知
ママ達におススメの映画をご紹介☆
14.【となりのトトロ】
1988年日本映画・徳間映画、88分 カラー
監督・脚本・原作=宮崎駿、製作=徳間康快、音楽=久石譲、撮影=白井久男、編集=瀬山武司
声の出演者=日高のり子、坂本千夏、糸井重里、島本須美、高木均、北林谷栄
<ストーリー>
物語の舞台は昭和30年代。
大学で考古学を研究する学者のお父さん、小学6年生のサツキ、4歳のメイの3人が引っ越してきたのは、豊かな自然と美しい四季があふれる田舎の、「お化け屋敷」のような一軒家。しかし本当に出たんです・・・・・トトロが。
<鑑賞>
◎初めは低い成績だった?!◎
「となりのトトロ」は公開された1988年には、これもジブリの名作「火垂るの墓」と2本立てで4月16日に封切りされたのですが、今では11.7億円という考えられないほどの低い成績だったのです。
まだ宮崎ブランドが確立されていなかった時期(かくゆう僕も劇場では見ていないのです)ということもありますが、火がついたのはまず、日本で一番権威のある、その年のキネマ旬報のベストテンで日本映画1位になったことです。
当然読者の1位も獲得しました。「ダイハード」とともに、評論家も一般の人も認める娯楽的かつ映画的興奮を満足させる作品であったわけです。
◎ビデオ・大ブレイク◎
その後、セルビデオが発売されるや、1996年の徳間版までで24万本という驚異的な売れ行きを示し、ディズニーと組んだブエナビスタ版では190万本もの大成功を収めるのです。
一般に認知されたのはこのビデオ・大ブレイクのころなのです。
その後、DVDに切り替わっても、120万枚ととどまるところを知らず、各家庭に1本そして買い換えてまた1枚という国民ブランド映画になったわけです。僕自身も宮崎アニメでは「ルパン三世カリオストロの城」と並んで一番好きなアニメ映画です。
◎愛される理由は何だろう?!◎
テレビ放送は14回にものぼり、最低でも17%の視聴率、最高23%の視聴率と、大人も子どもも楽しめる国民的アニメになってしまいました。
ひとつは、時代性ですね。昭和30年代の野も畑も小川もある風景の中で繰り広げられる親子の生活、子どもの見るファンタジー。
そしてトトロやススワタリや猫バスのキャラクター、子どもの頃夢見たようなものばかりが現実世界に出てきたようなファンタジーはこれが初めてだったのです。そしてそのキャラクターたちが躍動感あふれる動きと愛嬌のある個性で、和ませてくれるという子どもだけでなく、大人も「あのころに帰れる」アニメになったのです。
この葉中の場所は、埼玉の南の方という設定のようです。狭山付近ということが予測されます。
今は住宅もたくさん建って東京の街への通勤圏になっているでしょうが、お父さんも東京の大学へ考古学を教えに行っていますから、バスで出て、電車で東京へ通える距離だったんでしょうね?
僕が一番好きなシーンは、さつきたちが住む家を管理していたおばあちゃんの孫のクラスメートのカンタが、突然振り出した雨に雨宿りしているさつきのメイに大きなこうもり傘を差し出すシーンです。
ほのかな恋心を表していていじらしいじゃありませんか?
◎魅力的なシーン◎
宮崎アニメでは「空を飛ぶ」というシーンが魅力でもありますね。
「風の谷のナウシカ」は、空を自由に飛びながら悪と戦うという物語で、アニメの躍動性を思い切り広げていましたし、「天空の城ラピュタ」自体は、空中の物語なんですね。「魔女の宅急便」では主人公が魔女の見習いですから、飛べることが一人前の証だというテーマですから、不自然さはありません。
さて、「となりのトトロ」では、トトロと一緒に空を飛びます。
夢の中なのか、現実の世界なのかはあえて明示していません。
猫バスで飛ぶときも、ふたりだけには見えて、ほかの人たちには見えないものになっています。
◎子どもの頃にだけ見えるものの存在◎
カンタのばあちゃんも昔ススワタリが見えたそうです。
さつきとメイのお父さんも、トトロの存在を否定しません。
そんな子どもの頃にだけ、見えるもの、見えたものがあったはずだよなぁ、と思い起こさせてくれるこの映画を何度でも観たくなるのは、人が万人持っている「あの頃のほのかな思い出」を大切にしたいという気持ちが有るからでしよう。
◎昔の良き時代◎
メイが寂しくてお母さんに会いたくなり、とうもろこしを届けてあげたくて道に迷ってしまうところも、こうして、必死になって探し回り、村をあげて捜索をするなんていうことは今ではまずないでしょう。
そこに猫バスが現れて、メイを見つけ出し、七国山のお母さんの入院している病院までひとっ飛びに走りぬけ、見舞いの品だけ届けて、窓から眺めて安心して村へ帰るというくだりも心を打たれます。
大人になっても、こういう子どもの頃見えていたものがいつでも見られるような大人で居たいな、と思わせる名作映画ですよね。
中1終わりから映画好きになり、洋画・邦画を問わずに映画館通い。
映画もDVDやテレビで過去の名作が簡単に見られる時代になりました。
映画館もフィルムからデジタルへ移行して、どんどん進化していますが、中でも映画で昔から描かれる普遍のものは、「親子の愛」です。
推定6,000本観た映画の中から、ママたちに観ていただきたい名作を毎回1本ご紹介します。
ご紹介する映画はDVDレンタルでご覧いただけるものから、選んでいます。
公認映画検定2級・美容室リグレッタ・オーナー/八木勝二
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