英語に触れるのは早い方がよいのか?〈子供英語教育の基礎知識 〉Vol.2


 

子どもに英語を話せるようになって欲しい、と願う親御さんは多いでしょう。

でも、どのように育てたら、英語が身につくのでしょうか。またそもそも、英語をそんなに小さい頃からやる必要があるのでしょうか。
簡単に答えが出せるような単純な問題ではないからこそ、お子さんのためにより良い選択をしていただけるように、ぜひ知っておいていただきたいことを5回シリーズでお伝えします。

前回記事はこちら

子供のうちから英語をやることの是非 <子供英語教育の基礎知識>Vol.1

 


 

こんにちは、西澤ロイです。
今回は「英語に触れる/英語を始めるのは早い方がよいのか?」という問題を取り上げたいと思います。

 

 正しいやり方で学べば、誰でも外国語は身につけられる。

 

まず、小さな子どもの方が「上達が早い」のは事実です。例えば、生後6ヶ月の子どもはどんな言語の音でも聞き分けられる能力を持っています。ですから、そのタイミングでうまく英語教育が行なえれば、英語の聞き取りで苦労しなくなるはずです。

 

 

しかし「上達が早い」からと言って、そのタイミングで英語を始めるのが「良い」かどうかは全く別の問題です

 

前回、英語を身につけることによって生まれるマイナスの話をしましたね。英語というプラスと、同時に生まれるマイナスを天秤にかけない限り、本当に「良い」かどうかは判断できないのです。

 

そもそも、どうして「早い方がよい」という発想になるのでしょうか?
それは「大人になってからでは大変」だと思っているからではないでしょうか。親御さん自身が英語で苦労されたり、うまく身につけられなかったという思いがあればなおさらです。

 

しかし、そこには大きな誤解が含まれています。

 

まず、子どもは確かに言語が身につくのは早いですが、同時に「忘れる」のも早い――。

帰国子女が日本で英語を忘れずにいるためには、インターナショナルスクールに通ったり、ネイティブの家庭教師をつけるなどして、英語を使う環境を確保しています。親は多額の費用をかけ、本人たちも大変な努力をしてきているのです。

つまり、英語圏ではない日本で子どもが英語を身につける(維持する)ことは、多くの人が考えているよりもずっと「大変」なのです。

 

また、大人の外国語習得に関する最先端の研究では次のように言われています。

 

「正しいやり方で学べば、誰でも外国語は身につけられる。」


それも、別に10年も20年もかかるという話ではありません。1~2年もあれば、かなりのレベルに達することができるでしょう。
つまり、大人が英語を身につけることは、多くの人が考えているよりもずっと「大変ではない」のです。(その誤解を解いて、努力に見合った上達をしていただくのが私のやっていることです。)

 

 

子どもは環境さえあれば、だれもが自然にその天才を発揮し、言語を短期間で身につけられます。しかし、子どもだけでなく、実は大人だって言語の天才なのです。

それなのに、大人が天才に見えず、語学で苦労してしまうのは、自然にその力を発揮することが困難だからです。でも、うまく工夫してその力を引き出してやれば、大人も天才的に言語を身につけることは十分に可能なのです。

 

 

難しく考えすぎている日本人

 

私は大人向けの英語教育を行なっていますが、2時間で誰でも英語が話せるようになるという英会話講座(世界一聞きたい英会話の授業)を開催しています。

 

「今日、ロイさんのお話を聞いて『私、英語しゃべれるじゃん!!』と思いました。」
「素晴しい! 発想を変えるだけでこんなに英語のイメージが変わるなんて!!」
「“私、英語できるかも!!”と今までと違った感情がわきあがってきました。」

 

こういったご感想をいただくのですが、それは「英語を話す」ということを日本人が難しく考えすぎているからなんです。英語というのは簡単な単語を使ってしゃべる言語であり、中学英語だけで十分にコミュニケーションが取れます。

中学英語は、中学を卒業した人であれば誰でも知っています。つまり日本人の大人は、英語が話せる発想さえ身につければ、みんな英語が話せるんです。

 

さて、子どもに英語を学ばせようとする理由が「自分ができないから…」であれば、なかなか良い結果は得られません
「先(ま)ず隗(かい)より始めよ」ということわざがあります。親である自分も英語が話せて、日常的に使う機会がある。だから自然に子どもも英語が話せるようになる…という形が一番オススメです。

 

次回は「言語を身につけるプロセス」についてお伝えします。

 


【英語のコンサルタント兼カウンセラー 西澤ロイ】 プロフィール
英検4級からTOEIC満点(990点)まで上達した経験に、言語学・心理学・脳科学など加え、努力に見合った結果が出る英語学習法を伝える専門家。
ベネッセ「こどもちゃれんじ ほっぷEnglish(おうちのかた向けブック)」に3年連続掲載、日経ムック「デュケレvol19.小学生の英語事情」に掲載。「日経WOMAN」「プレジデント」などの雑誌・ラジオなどメディア出演多数。

■西澤ロイ(英語のコンサルタント兼カウンセラー)
http://stress-free-english.net/
■世界一聞きたい英会話の授業
http://englishpower.net/conversation/seminar.html

 

著書

『頑張らない英文法』(あさ出版)

 

 

『頑張らない英語学習法』(あさ出版)

 

『英語を「続ける」技術』(かんき出版)

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