言語を身につけるプロセス<子供英語教育の基礎知識> Vol.3


 

子どもに英語を話せるようになって欲しい、と願う親御さんは多いでしょう。

でも、どのように育てたら、英語が身につくのでしょうか。またそもそも、英語をそんなに小さい頃からやる必要があるのでしょうか。
簡単に答えが出せるような単純な問題ではないからこそ、お子さんのためにより良い選択をしていただけるように、ぜひ知っておいていただきたいことを5回シリーズでお伝えします。

前回記事はこちら
子供のうちから英語をやることの是非〈子供英語教育の基礎知識〉Vol.1

英語に触れるのは早い方がよいのか?〈子供英語教育の基礎知識 〉Vol.2

 


 

こんにちは、西澤ロイです。
今回は「言語を身につけるプロセス」というテーマでお話させていただきます。

 

「母国語」として身につけること

 

5年ほど前のことなのですが、私はとある中学1年生に出会いました。仮にA君としておきましょう。
A君は小学生のころから、英会話のレッスンを数年間受けてきた、ということでした。

 

どんな風に英語を身につけているのかが知りたくて、私は彼に数字を英語で読んでもらいました。

 

「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ・・・」

 

私は愕然としました。
「トゥー」ではなく「ツー」、「3」は「スリー」と、全てカタカナ読みだったからです。
また、動物の名前や色、生活語など、ある程度のボキャブラリーはあったものの、やはりカタカナであり、日本語の直訳での理解しかしていなかったのです――。

 

 

これを読んで「良くない先生だったのだ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この問題の本質はそこではありません。

 

子どもは、だいたい小学生くらいまでであれば、英語を「母国語」として身につけることが可能です。(「臨界期」という言葉を聞いたことがおありかもしれません)
この時、子どもは日本語環境や英語環境に身を置くことで、その言語をシャワーのように浴びながら、すごいスピードで言語を獲得していきます。

 

この時のポイントは、子どもはその言語を「教わってはいない」ということなんです。
「この単語の意味は○○だ」とか「三人称の時は…」などと教わることはありません。真似をして覚えていくのです。

 

日本語と英語は語順がほぼ逆ですが、子どもはどんな語順であっても自然に対応できます。また、世界中の言語のすべての音を聞き取れる耳を持って子どもは生まれてきます。そこから必要でないものを削っていき、環境に適応していくのです。

 

トランプに喩えると分かりやすいかもしれません。最初にトランプでジョーカーを100枚持っているような感じです。何のカードとしても使えますが、使うことにより、その特定のカードに変身するジョーカーだと思って下さい。
子どもはジョーカーを1枚1枚使いながら「このカードはRにしよう」「これはL」などと音の数だけジョーカーを変身させます。その言語に50種類の音があるとすると、カードを50枚使います。そして臨界期が終わるタイミングで、使わなかったジョーカーを捨ててしまうのです。

 

 

 「世界の切り取り方」を身につける

 

また、子どもはボキャブラリーを覚えながら、世の中にある物事の「概念」を掴んでいきます

例えば「冷蔵庫」という言葉を知る時には、「食べ物が冷える箱がある」ということも一緒に学んでいます。

 

日本語を母国語として身につけるということは、日本語の「世界の切り取り方」を身につけるということです。

英語には英語流の切り取り方があります。バイリンガルになるとういうことは、その両方の概念(世界と呼んでもいいかもしれません)をうまく掴んでいくことになります。

 

ですから、逆の言い方をすれば、子どものうちに言語を身につける時には、耳から学ぶことが大切ですし、ボキャブラリーは概念と一緒に学ぶというのがあるべき姿です。

 

先ほどのA君のエピソードでは、せっかく小学生のうちから英語のレッスンに通わせているのに、教え方に大きな問題がありました。日本語をベースにして英語を「教えて」しまったことにより、英語の「音」も「概念」も全く身につかなかったのです。言語の天才である子どものアドバンテージを、「教える」ことにより消してしまった悲しい事例と言えるでしょう。

 

では子どもに効果的・効率的に言語を身につけさせるためには一体どうしたらよいのでしょうか?

 

次回は「子どもが言語を身につける条件」についてお伝えします。

 


【英語のコンサルタント兼カウンセラー 西澤ロイ】 プロフィール
英検4級からTOEIC満点(990点)まで上達した経験に、言語学・心理学・脳科学など加え、努力に見合った結果が出る英語学習法を伝える専門家。
ベネッセ「こどもちゃれんじ ほっぷEnglish(おうちのかた向けブック)」に3年連続掲載、日経ムック「デュケレvol19.小学生の英語事情」に掲載。「日経WOMAN」「プレジデント」などの雑誌・ラジオなどメディア出演多数。

■西澤ロイ(英語のコンサルタント兼カウンセラー)
http://stress-free-english.net/
■世界一聞きたい英会話の授業
http://englishpower.net/conversation/seminar.html

 

著書

『頑張らない英文法』(あさ出版)

 

 

『頑張らない英語学習法』(あさ出版)

 

『英語を「続ける」技術』(かんき出版)

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津村 美乃里ママそら関西支部代表、ママそら 絵本館館長

投稿者プロフィール

■ママそら関西Facebookページ
https://www.facebook.com/mamasola.kansai

■ママそら関西Facebookグループ
https://www.facebook.com/groups/mamasola.kansai.supporter/
<プロフィール> 大学卒業後、大手百貨店に入社し子供服、婦人服の販売に携わる。大手人材派遣会社経理総務事務に転職し、関西一円、東海のリーダー業務も兼任。第1子出産を期に退社、ベビーマッサージ講師として自宅開業。5年の講師業後、「ママそら」と出逢い、コラム執筆。ママそら100人プロジェクト1期生。「生まれる前の 自分から 今の自分にメッセージを贈るお手伝い」をする「数秘&カラー+絵本セッション」を主とするママそら絵本館を2014年に開始。同時期よりママそら関西支部代表としてイベントなど企画、運営、記事執筆、ママとママ&企業様とママのご縁つなぎなどにも活躍。 第2子妊娠臨月までイベント主催。出産後2ヶ月で復帰し、親子でイベント主催。二児の母。

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