きっずじゃずCDスペシャル・コンサート直前企画! 大貫妙子×TOKUインタビュー



 
ママそらでも人気の『きっずじゃずCD』(ソニー・ミュージックレーベルズ)。先日もご紹介した通り、明日8月2日(土)に、ビルボードライブ東京にてきっずじゃずCDスペシャル・コンサートが開催されます。そこで今日は、コンサートに出演される大貫妙子さんとTOKUさんのインタビューをお届けします!
 

当時私は4歳だから、幼稚園に入るか入らない頃
でも、そんな子供でもエネルギーを受け止める力はあるんです

 

▲ 大貫妙子
 
−−大貫さんが初めて体験した生演奏は?
大貫妙子:いちばん最初に体験した生演奏は4歳のとき、となりのお姉さんと一緒に見た宝塚歌劇です。とにかく華やかで、フルバンドが素晴らしくて、もう夢の世界でした。オケピから繰り出される音の迫力に圧倒されました。お姉さんは「子供だからすぐに飽きるんじゃないか」と思って連れて行ってくれたらしいんですけど(笑)、最後まで釘付けでした。もう本当、忘れられない思い出ですね。
TOKU:僕も10年くらい前に宝塚を初めて見ました。面白かったですね。必ず一人の出演者につき女性の熱狂的なファンがたくさんいて、男の僕は逆に居場所がないというか(笑)。すごい世界だなと思いました。
 
−−TOKUさんが初めて体験した生演奏は?
TOKU:マイルス・デイヴィスのコンサートです。
大貫:えっ? そんな子供の頃からジャズが好きだったの?
TOKU:親父が大ファンだったんです。僕が小学校3年か4年のとき、マイルスが僕の故郷の新潟に来て、そんな機会は多分二度とないだろうということで親父がチケットを買って、親子で見に行きました。
大貫:素晴らしいお父様ですね。
TOKU:親父が連れて行ってくれたのは、その1回きりかな。普段はそういうことがなくて、「これ聴くといいぞ」といわれたこともない。
 
−−それはいつ頃のマイルスですか?
TOKU:ジョン・スコフィールドやボブ・バーグがいた頃、1985年ですね。「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」(77~92年まで開催された野外フェスティヴァル)の新潟公演です。
 
−−どんな内容でした?
TOKU:全然覚えてないです。音がデカくてうるさかったということ(笑)、親父が興奮していたということ、その2つだけですね。
 

▲ TOKU
 
−−細かい知識をまだ身につけていない年代の頃に受けた生演奏のインパクトは、一生忘れられないものだと思います。
大貫:カルチャー・ショックでしたね。こんな世界があるとは思わなかった。「食い入るように見てた」って隣のお姉さんが言ってました(笑)。当時私は4歳だから、幼稚園に入るか入らない頃。でも、そんな子供でもエネルギーを受け止める力はあるんですよね。小学校に上がった頃うちにステレオが来て、それからは毎日レコード三昧・・・。宝塚を見たことが直接、歌手になろうと思うきっかけになったわけではないですが、音楽には夢中でした。
TOKU:僕も音楽がずっと好きでずっとやってきて、本当にそのまま今に至るという感じです。とにかく一番好きなことをこれからもやれたらいいな、というだけです。
大貫:それは大事ですよね。私も同じ。子供のときって、夢中になるとレコードにしても1日中おんなじのを繰り返し聴いている。
TOKU:そうですね。
大貫:私は今でもそうなんだけど(笑)、好きな曲に出会うと、ずーっとそればっかり。子供の頃の延長線上にあるんですよね、多分。だから続けられるのかも。
 
−−子供の頃の夢はなんでした?
TOKU:僕は電車の運転手だったかな。本当に一般的な男の子。電車に乗ると、いつも一番前の車両に行って・・
大貫:います、今でもそういう男の子。
TOKU:運転手の動きをチェックしていましたね。あのレバーをこうやると進むんだ、とかね。
大貫:レバーって取り外せるんですよね、(運転手は)アレを持って歩いている。「あっ、外して持ってる」って驚いたことがある(笑)。
TOKU:安全のためもあるんだろうし、自分が運転手であることの証かもしれない。
大貫:私も電車に乗ると一番前の車両で景色を見るのが好き。運転手になろうとは思わなかったけど・・・。
 

ジャズならではの「ミュージシャン間の音を通じての対話」、
「その瞬間だけしか起こりえないマジック」を
そのままパッケージしたかった

 
−−アルバム『きっずじゃずCD』には、大貫さんの「メトロポリタン美術館」がニュー・レコーディングで収録されています。もともとNHK教育テレビの「みんなのうた」に提供された曲ですが、作曲当時のことを振り返っていただけますか?
大貫:「みんなのうた」は好きな番組で、小さい頃から見ていましたが、私は「子供のためにとくべつ作られたものは、そう多くなくていい」と思っているんです。子供が読みやすいように創ることは必要だと思いますが。私が子供のときも、子供のために用意されたものではなくて、大人が見たり聴いたりしているものを楽しんできました。たとえば「ピーターラビット」を「かわいい」っていうひともいるけど、実際に読んでみるとすごいシビアな中身でちょっと残酷といえるぐらい。西洋の童話ってけっこうそういうのが多いんです。「ぼうぼうあたま」とか・・・。
TOKU:グリム童話とか・・・
大貫:そうですね。でも日本の場合は子供に沿いすぎているようなところがある気がします。子供のときは、大人の言っていることが理解できなくても、それはそれでいいと思うんです。成長していろいろわかってくることも、楽しいから。「みんなのうた」から依頼を受けたときも お母さんと子供が一緒に聴けるものを”と思って。テレビって家でつけっぱなしになってることが多いでしょ? 家事をしていても音は聴いているわけなので、それが流れたら、テレビの方にちょっと顔も向けてくれるようなものってなんだろうって。そのうち子供が好き食べ物ってなんだろう、って考えはじめて。カレーライスとかハンバーグとか、スパゲティナポリタンとか食べ物の名前を頭の中でぐるぐる繰り返していたら、そのうちナポリタンがメトロポリタンになっちゃった(笑)。それでアイデアを膨らませて・・・。(人形アニメの映像が)怖かったっていう子供たちも多いみたいですけどね、ミイラが出てくるし。
 
−−最後、登場人物が絵の中に閉じ込められてしまうシーンは衝撃でした。
大貫:怖い怖いと言いながら指の隙間から見たくなることもあるし、だから当時、あれを見た子供たちは、大人になっても印象に残っているんじゃないかなと思います。
 
−−TOKUさんの「君へのファンファーレ」(※アルバム『ドリーム・ア・ドリーム』収録)も「みんなのうた」への提供曲です。
TOKU:これも必ずしも子供のためだけじゃなくて、自分たち世代に向けた歌でもあるんですよ。「大人の世代というか、今の日本を動かしている世代の人たちにも夢とか希望とか小さい頃に持っていた純粋な気持ちを忘れないでいてほしい」という気持ちを、作詞の中西圭三さんにまとめていただいて、僕が曲をつけました。
 
−−TOKUさんは『きっずじゃずCD』でも、最も多くの曲でフィーチャーされています。選曲はご自身がされたのですか?
TOKU:基本的にそうですね。「北風小僧の寒太郎」はリアルタイムで聴いていました。小さい頃から印象に残っていたので、(プロデューサーに)「ぜひやらせてくれ」って(笑)。「ドレミのうた」は最初、車のCMのために最初にレコーディングして、その後2003年に出た『TOKU』というアルバムにも入れました。そこでは英語の歌詞で歌ってたんですけどそういうのもあって、今回は日本語の歌詞を入れて再収録しました。
 
−−子供の歌をジャズとして聴かせるために、とくに注意したところは?
TOKU:生バンドでのレコーディングにはこだわりましたね。ジャズならではの「ミュージシャン間の音を通じての対話」、「その瞬間だけしか起こりえないマジック」をそのままパッケージしたかったんです。
大貫:私はこのアルバムを車の中でもよく聴くんですけど、あらためて、それぞれの曲がいいですね。ジャズって意外と許容範囲が広いんだなって思いましたね。どんなものもジャズという範疇に入れることができるというか・・・アレンジもいいですよね。原曲のコードを変えて、よりモダンになっている。
TOKU:「マイ・フェイヴァリット・シングス」に関しては相当、コードをいじりましたね。
大貫:それに、このCDに入っている曲は歌詞もいいですね。歌っているシンガーの皆さんの実力もあるので、届くんですよね。「黒ネコのタンゴ」とか、知っていましたけど、いい歌詞だったんだなって改めて気づきました。
 

(子供たちには)このライブをきっかけに
いろんな音楽を聴き始めてほしい

 

▲ 大貫妙子&TOKU
 
−−そして8月2日に「Billboard JAPAN presents きっずじゃずCD スペシャル・コンサート」がビルボードライブ東京で開催されます。0歳から入場できる画期的なライブですが、大貫さんやTOKUさんはそれまで乳幼児の前でパフォーマンスしたことはありますか?
大貫:自分のライブではありませんが、イヴェントではあります。親御さんと一緒にコンサートに聴きにくる小学生はいます。
TOKU:僕は最近、「何歳のお子様を連れてきてもけっこうです」というライブを始めたんです。子供たちは最初ちょっと緊張気味なんだけど、だんだん慣れてくると僕が歌ったり演奏しているところをちょろちょろ歩き回ったり、下から覗き込んだりとか、ドラマーの叩いている姿をじっと見たり、すごく興味があるみたい。このライブをやることで、本当にしばらく顔を見なかった方、昔よく来てくれた方が子供と一緒に、久しぶりに来てくれるようになりました。
大貫:素敵ですね。
 
−−おふたりにとって、ライブの魅力とは何ですか?
TOKU:お客さんの反応がダイレクトに感じられることですね。お客さんの反応、会場の雰囲気などに刺激されてどんどん演奏が変わっていく。自分でも予想できないプレイになっていくのが、とにかく楽しい。
大貫:私は「お客様に育てられてきたようなものだ」と思っています。それに楽曲は、ライブを繰り返すことで成長するんです。レコーディングをして、そこで終わりというわけではないんです。私のコンサートでは、少なくともお客様は私が大貫妙子であることを知って聴きにきてくださる。だけど(「Billboard JAPAN presents きっずじゃずCD スペシャル・コンサート」の客層の中心である)子供たちは私のことを知らない。ある意味、いちばん怖いお客様ですよ(笑)。いままでも真剣にやってきましたけど、もっと真剣にやらなきゃ!と思いますね。
TOKU:子供たちが、どんな反応をするのか楽しみだなあ。

大貫:ライブの空気をつくるのはお客様だと思うので。今回の主役は子供たちですから、それだけでも面白そう。
TOKU:アルバムの内容を知ってる方も知らない方も楽しめると思うし、生の音楽の面白さを伝えたいですね。
大貫:「ビルボード」に子供がいる、というのがいいなあと思うんですよね。その風景、まだ見たことないんで(笑)。一緒に歌ってくれてもいいですし、楽しんでほしいですね。
TOKU:(子供たちには)このライブをきっかけにいろんな音楽を聴き始めてほしい。ある程度年齢がいってから「あのとき、このライブに行ったな」って思いだしてくれたら嬉しいなあ。
大貫:生演奏のインパクトって、ちっちゃい頃に体験すればするほど大きいような気がします。絶対に忘れられないライブになりますよ、私が体験した宝塚みたいに(笑)。
 

▲ きっずじゃずCD ショート・ムービー

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『きっずじゃずCD』

好評発売中 SICP3861
特別価格 ¥2,400+税
www.sonymusic.co.jp/kidsjazzcd

http://youtu.be/UAZhpOlMBBA
iTunes:https://itunes.apple.com/jp/album/kizzujazucd/id829551324

1.「ドレミのうた」TOKU
2.「おどるポンポコリン」マヤ・ハッチ
3.「マイ・フェイヴァリット・シングス」JUJU featuring TOKU
4.「北風小僧の寒太郎」TOKU
5.「君をのせて」ケイコ・リー
6.「トゥインクル・トゥインクル・リトル・スター」TOKU
7.「アンパンマンのマーチ」神谷えり
8.「メトロポリタン美術館」大貫妙子
9.「黒ネコのタンゴ」土岐麻子 featuring 小松亮太
10.「歩いて帰ろう」ケイコ・リー
11.「さんぽ」マヤ・ハッチ
12.「ジングルベル」しまじろう featuring TOKU

[ボーナス・トラック]
13.「とろけてたまげてシュワシュシュシュ」ケイコ・リー(サントリー「トロッタスパークリング」CMソング)
14.「故郷」日野皓正(Panasonic企業CM曲)

全曲カラオケ付き

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黄野 いづみママそらディレクター

投稿者プロフィール

株式会社ママそら ディレクター
株式会社LIVLA 取締役
ピープルビヨンド株式会社 取締役
16歳で単身アメリカへ留学。学習院大学に入学・卒業し、その後に再度渡米。テレビ局や日系メディア会社にてインターンとなる。帰国後は出版社で、約10年間、広告営業や企画編集ライターなどに従事するとともに、プロジェクトマネージャー、チームリーダーを経験する。出産を機に独立。
「子どもの輝く未来のために、子どもの心を育み親子でHAPPY に!」をコンセプトに、木製玩具、アートグッズの輸入販売や心を育む遊びの提案を行っている。海外生活の経験を活かし、楽しみながら英語に触れることのできる遊びも紹介。グローバル時代を生きる子どものために、豊かな感性や表現力、発信力、人間力を育むプロジェクトに取り組んでいる。
株式会社ママそらでは創業時からディレクターを務め、複数のプロジェクトの統括やスタッフ管理・育成に携わるとともに、ライター育成も行っている。
HP  http://www.twinklekidsstar.com
Facebookページ https://www.facebook.com/kidsstarjapan

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