小さな恋のメロディ「ママ、この映画見て!Vol.17」


ママ達におススメの映画をご紹介☆

1971年 イギリス映画・ヘラルド映画配給、103分 カラー
監督=ワリス・フセイン、脚本=アラン・パーカー、製作=デヴィッド・パットナム、デヴィッド・ヘミングス、撮影=ピーター・サシツキー 曲提供=ビー・ジーズ
出演=マーク・レスター、トレイシー・ハイド、ジャック・ワイルド、シェイラ・スティーフェル、ケイト・ウィリアムス、ジェームズ・カズンスロベルト・ベニーニ

<ストーリー>

舞台はロンドン。伝統的な価値観を受け継ぐパブリック・スクールで、ささやかな対立がはじまっていた。厳格な教えを説く教師たちや子供に過干渉な親たちと、それらに従うことなくそれぞれの目的や楽しみを見つけようとする子供たち。

気が弱く大人しい11歳のダニエルもそんな生徒の一人だったが、同じ学校に通うメロディという少女と出会う。二人はいつしか互いに惹かれあい、悩みを打ち明け、はじめて心を許す相手を見つけたと感じた。純粋ゆえに恐れを知らない二人は、学校をさぼって海水浴場へデートに出かけたことから校長先生に叱られ、クラスメートたちにも散々笑い者にされる。ダニエルは悪友オーンショーにしつこくからかわれて、彼と殴り合いのケンカまで繰り広げてしまう。

事情を聴くこともなく押さえつけようとする大人たちに対し、二人は一つの望みを口にする。それは「結婚したい」という驚くべきものだった。「どうして結婚できないのか」と問うが、当然親も教師もとりあわない。ある日、教師が授業を始めようとすると教室はほとんどもぬけらの空であった。自分たちの手で二人の結婚式を挙げようと、クラスの生徒が集団エスケープしたのである。教師たちはあわてて彼らを探しに行く。

廃線脇の隠れ場所で、オーンショーが神父を務める結婚式がとり行われていた。ダニエルとメロディが誓いの言葉を唱えようとした時、教師たちに見つかってしまい、子供たちは散り散りに逃げていく。暖かい日差しの中で大人と子供の乱闘が繰り広げられ、発明狂の男の子が作った自家製爆弾が車を見事に爆破すると、大人たちは恐れをなして一目散に逃げて行った。子供たちはやんやの喝采を挙げる。その頃、ダニエルとメロディの二人はオーンショーの助けで追手を振り切り、トロッコに乗って線路のはるか向こうへと駆け出して行った。

<鑑賞>

1971年製作といえば、もう44年前の作品ですが今見ても古びていません。11歳のダニエル(マーク・レスター)とメロディ(映画のタイトルも「メロディ」なのです。トレイシー・ハイド)の純愛ものであり、大人社会への反抗をコミカルに描いた作品です。

◎日本人の感性にぴったり?!日本で大ヒット◎

ビー・ジーズの音楽に乗って大ヒットというのは、のちの「サタデーナイト・フィーバー」と一緒で製作された本国(本作はイギリス、「サタデーナイト・・・」はアメリカ)では、さほど評価されなかったのに、日本では大当たりした映画です。

マーク・レスターは、この後に東宝に招かれて「卒業旅行」なんていう映画に主演していますし、トレイシー・ハイドも「スクリーン」誌の人気女優でいっとき上位になった記憶があります。

◎11歳の子どもたち◎

今見直してみると、映画の半分ぐらいは二人の家族の生活模様をきっちりと描いているんです。裕福な家庭で育っているものの、親の興味は成績といい子にしているかどうかだけなダニエルの両親。
貧しくも美しくとはいかず、生活が苦しいメロディの家庭、そしてオーンショー(ジャック・ワイルド)の家などは、家事のすべてを小学生がしなくてはならない家庭なのです。子どもたちにはストレスのたまるイギリスのこの暮らしの上に、学校の勉強も面白くないわ、先生は厳しいだけだしと、閉塞感が漂う前半には改めて驚きます。

甘ったるい11歳の恋愛ものだけではなかったのです。
でもその中の日々にみずみずしさを与えるのが、金魚であり、爆弾製作であり、些細な悪さの積み重ねなのです。それにかぶさるビー・ジーズの10曲のメロディのすばらしさですね。きっと日本人の感性にピッタリ来たのでしょうね?大ヒットをしました。

伝統的なイギリスの大人社会は、これからの時代の子供には受け入れられないんだよ、という警告にも見えるコメディタッチの映画は肩がこらず、大上段に振りかぶった主張がないだけ素直に映画に入っていけます。

◎「僕たち結婚したいんです」◎

「僕たち結婚したいんです」
「け、結婚?けっこんってどんなものか知っているのか?」
「好きなんです、一緒に居たいんです、だから結婚したい、それがいけないの?」
すこし薄っぺらなこの部分が名作として評価されなかった部分なのでしょうね。でも脚本のアラン・パーカーはこの後、監督としてたくさんの名作を作ります。

現在、マーク・レスターはロンドンで整体師をしており、トレイシー・ハイドは映画界を引退して、ママとして普通に生活しているそうです。

トロッコで地平線の果てまで漕いで行った行く先は、案外普通に平凡な大人の世界にたどり着いたのでしょうか…?



中1終わりから映画好きになり、洋画・邦画を問わずに映画館通い。
映画もDVDやテレビで過去の名作が簡単に見られる時代になりました。
映画館もフィルムからデジタルへ移行して、どんどん進化していますが、中でも映画で昔から描かれる普遍のものは、「親子の愛」です。

推定6,000本観た映画の中から、ママたちに観ていただきたい名作を毎回1本ご紹介します。
ご紹介する映画はDVDレンタルでご覧いただけるものから、選んでいます。
公認映画検定2級・美容室リグレッタ・オーナー/八木勝二
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