日本の音楽、古典の魅力~子育てから己育てへ~


公益社団法人 能楽協会正会員 能楽師 小鼓方
森澤勇司

 

みなさん、はじめまして! 能楽師小鼓方の森澤勇司です。
能楽の舞台で小鼓を演奏しています。
明治からの音楽教育の改変で日本の音楽に触れる機会は少なくなってしまいましたが、
日本の音楽に触れることは非常に大切なことだと考えています。
そこで私のコラムでは、母から子に語って伝えたい能楽や
古典にまつわるお話をお送りいたします。
専門的なことではなく親子のコミュニケーションに役立つものを選んでご紹介します。
 
………………………………………………………………

和のリズムで“自立”と“調和”を学ぶ

 
こんにちは!森澤勇司です。
本日はコラム最終日です。5日間読んでいただきありがとうございました。

これまで、学校の授業や市販の本にはない古典の使い方をお伝えしてきました。最終日の今日は今までのことをまとめて実践していく考え方をお伝えさせていただきます。

能楽の中の「間」「拍子」は、日常生活に取り入れることで非常にコミュニケーションが良くなるリズムだと思います。
少し専門的な話になりますが、能楽の演奏はポピュラーな音楽よりも楽器が単独で音を鳴らす部分が多いのが特徴です。

もうちょっと簡単に言うと交互に音を出しているような感じです。こうした音楽的な特徴、風姿花伝、五輪書などの教育方法や能楽に基づいたリズムは、専門的に勉強してもなかなか習得できない哲学的なものです。

音楽の素養があるから出来るかというとちょっと性質が違います。
 
大切なのは「間」と「拍子」なのです。
 
これを多くの方が知ることによってもっともっとお子さんや周りの人とスムーズで楽しい生活を送れるものと信じています。どうすれば、もっと簡単にこれを学ぶことが出来るのかずっと考え試行錯誤してきました。なぜ、この和のリズムがコミュニケーションに良いのでしょうか?
 
それはまず「自立」という感覚が身につくからなんです。
 
自立とはこんな条件ではないかと考えています。
 

・自分の意見を言えること
・周りと調和していること

 
いかがでしょうか。自分を抑えて周りに従っていたり、周りに自分の意見を聞かせたりするのではなく、自分の意見をしっかり持ちつつ周りの意見の存在も認める、そんな状態を自立と考えています。
 

 
 

子育ては己育て

 
子育てにかぎらず私はある考え方を知ってから、一瞬で人間関係のストレスがなくなりました。それは「子育て」は「己育て」ということです。

あらゆる人間関係に当てはめるのは最初は大変かもしれません。まずお子さんとの関係を「子育て」から「己育て」という視点に変えてみると今まで「ムカッ」としてきたことにも感謝できるようになりました。

私が育てているという視点から「子」に「親」として育てられている。そんな考え方を持つことで日頃のストレスやイライラの質が変わってくれたら良いと思いました。

私は4人兄弟で、一番下は双子です。幼少の時は、祖母が病気だったこともあり母は4人の子どもの世話と自宅の商店経営、祖母の看病をして育ててくれたことを思い出します。あまり笑顔の母の思い出はありません。
 
そんな働くお母さんがより明るく楽しく生きられてお子さんに「笑顔の思い出」を残してほしいという思いを込めて5日間のメッセージにさせていただきました。
 
5日間の内容の奥には下記のようなメッセージを込めました。
 
初日は  親子のコミュニケーション、違う意見の尊重
2日目は 人間の成長の本質
3日目は「間」「拍子」から人と人の距離感とタイミング
4日目は 感情のコントロール
5日目は 子育てから己育てへの意識転換(パラダイムシフト)
 
これを踏まえてもう一度読んでいただけたら意味がはっきりすると思います。

そしてタンポポの花を見たら「違う意見も尊重しないとなぁ」なんて思い出していただけたら嬉しいです。

この5日間、幼少の私を育ててくれた若い頃の母に、今まで勉強してきたことをすべて伝えるという気持ちでコラムにさせていただきました。

最後まで読んでいただき有難うございました。
 

…………………………………………………………………
【森澤勇司】
公益社団法人 能楽協会正会員 能楽師 小鼓方
・1967年 東京都世田谷区生まれ。父は会社員、実家は商店経営という家庭環境で育つ。
・幼少期、外で遊ばせてもらえない環境だったので家にある本を読み空想を広げることを楽しみに育つ。いうことを聞かないと火箸で手を焼かれるような家庭環境で育つ。
・子どもの頃から、柔道、アメリカンフットボール、ギターなどを学んでいたが、高校卒業時に見た日本のミュージカルで「日本人には日本のものがよい」という思いをもち日本らしい仕事につくことを決意。「能楽」に興味を抱く。
・3年に1度の国立能楽堂養成事業2期生募集にであい思い立って3か月後には見たこともない能楽の修行に入る。
・平成11年独立「森澤勇司独立記念能」は高円宮憲仁親王も鑑賞。終演後「よい舞台でした」とお言葉を賜る。
・2010年「楊貴妃」出演中に脳梗塞のため集中治療室に入る。
・リハビリのために受講したアクティブブレインセミナーに感銘を受け講師資格取得。
・その後、コーチング、マーケティングなどを学ぶ中で海外自己啓発セミナーは「風姿花伝」「五輪書」など明治以前に日本で語られている教育法とほぼ同じだということを発見する。
・現在、能楽舞台への出演、小鼓の稽古、販売、日本の文化に関するセミナー、講演などを行っている。
森澤勇司WEBSITE
http://www.nohgaku.com/

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黄野 いづみママそらディレクター

投稿者プロフィール

株式会社ママそら ディレクター
株式会社LIVLA 取締役
ピープルビヨンド株式会社 取締役
16歳で単身アメリカへ留学。学習院大学に入学・卒業し、その後に再度渡米。テレビ局や日系メディア会社にてインターンとなる。帰国後は出版社で、約10年間、広告営業や企画編集ライターなどに従事するとともに、プロジェクトマネージャー、チームリーダーを経験する。出産を機に独立。
「子どもの輝く未来のために、子どもの心を育み親子でHAPPY に!」をコンセプトに、木製玩具、アートグッズの輸入販売や心を育む遊びの提案を行っている。海外生活の経験を活かし、楽しみながら英語に触れることのできる遊びも紹介。グローバル時代を生きる子どものために、豊かな感性や表現力、発信力、人間力を育むプロジェクトに取り組んでいる。
株式会社ママそらでは創業時からディレクターを務め、複数のプロジェクトの統括やスタッフ管理・育成に携わるとともに、ライター育成も行っている。
HP  http://www.twinklekidsstar.com
Facebookページ https://www.facebook.com/kidsstarjapan

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